合気道を60数年稽古している。80数年の我人生の根幹には合気道がある。合気道のお蔭で世界を駆け、友人をつくり、仕事につき、結婚相手とも巡り会った。
合気道の目的は二つある。一つは、宇宙との一体化、二つ目目は地上楽園建設のお手伝いである。仏教的に云えば、小乗合気道と大乗合気道である。
我小乗合気道の宇宙との一体化はなんとかなりそうである。最後の難関の魂の学びの領域に突入することができたようだからである。後は魂の技、神業が出るように修練すればいい。どこまで、どれだけ神業が出てくれるのかを楽しみにするだけである。
小乗の合気道に目途がついた所で、もう一つの目標に挑戦しなければならない。地上楽園建設のお手伝いである。大先生の教えであるから挑戦しなければならない。ちょっと前までは、こんな難しそうなことは自分に出来るわけがないし、自分等にやる必要はないのではと考えていた。しかし、段々とその考えは変わり、地上楽園建設のお手伝いをしなければならないというより、したいと思うようになった。どうもそれが自然の成り行きのようである。
まず、合気道で地上楽園建設のお手伝いをするとはどういうことかを考えなければならない。そのためには、地上楽園とはどのような世の中なのかを想定し、イメージしなければならない。
合気道では目に見える形では示していないが、地球上の生きとし生きるもの、万有万物は家族であると教えている。山川草木禽獣魚虫類に至るまで家族のように仲良くするということである。合気道の稽古・修業で合気道の仲間だけでなく、合気道の外のみんなとも仲良くなっていくのである。今でも、世界のいろいろな国や地域から稽古に集まり、また、世界のいろいろな国や地域で合気道が稽古されているが、これがもっと盛んになり、更に万有万物と仲良くなれればますます世界は平和になるはずである。
先ずは、世界中の誰とも家族のように仲良く稽古をしていくことにしよう。
最近、仏教展を頻繁に観に行くようになった。これまで合気道は神の世界に近かったので、神道の方に目が向いていた。
先日の仏教展で「涅槃図」(写真)を観た。そしてピンと来たのは、これが、我々が求め、建設しようとしている地上楽園ではないかということである。悟った人間だけでなく、悪鬼、鳥獣、草木、それに神様までも家族のように親しく一緒にいる世界である。誰も、何も争う様子はなく、お互いに敬意を払って、お互いに好きなようにやっているようである。
残念ながら、神界での求める楽園の絵はない故、当分は、地上楽園建設のために、この涅槃図をイメージして稽古に精進しようと思う。
地上楽園建設のためにもう一つやることがある。後進を育てることである。自分が会得した事、特に大先生の教えで会得した事を後進に伝え、残すのである。これは自然の理であるようだ。世の中は多種多様な分野で成り立っている。武道、経済、科学、芸術、宗教、教育等などの分野とそれに携わる人たちである。その分野で抜きん出た人は自分の成功で終わるだけでなく、必ず後進の育成を目指している。世に名を残した人は、個人の貢献と後進育成への貢献、引いては世の中への貢献を果たしている。
これが地上楽園建設であると考えるのである。大先生を考えればよくわかるだろう。
自分がこの合気道でこのように、そしてどこまで出来るかわからないが、後進育成をもっても地上楽園建設のお手伝いをしようと思っている次第である。