【第1007回】 合気剣

合気道の基本は徒手である。喩え、相手(敵)が剣や杖で攻撃してきても基本的には徒手で制する事になる。それでは徒手だけの稽古をしていればいいかというとそうはならない。具体的に云えば、敵の得物(剣や杖)の攻撃に対して徒手(素手)で捌くためには、敵の攻撃レベルの二倍三倍の技量がなければ不可能だろう。故に、剣や杖も稽古しなければならないことになる。
そこで剣を振り、杖を振って稽古をすることになる。剣を振り上げて振り下ろしたり、杖突きの稽古をする。しかし大概は、剣道や杖道の振り方になる。自分がそうだったし、周りを見てもこの傾向にある。
尚、今回は合気剣に絞り、合気杖は別の機会に記すことにする。

過って、大先生のもとには剣の達人名人も稽古に集まってきていた。合気道から何か剣に役立つ事を見つけようとされていたわけである。故に、合気道には剣の達人をも魅了する何かあるはずである。
長年、それが何だったのか分からなかったが、ようやくこれではないかという事がわかったようなのでそれを記すことにする。

毎朝、禊をしている。初めに片手取り呼吸法や正面打ち一教を基本に徒手での稽古をする。この稽古からこれまで出来なかった技や動きを研究したり新し法則を見つけるのである。この徒手で見つけたものを、今度は次の禊ぎのプログラムになる剣で試してみるのである。その理合いや法則の確認である。この徒手の技と動きを剣でやるのが合気剣と考える。
そして剣で出来た事をまた徒手でやれば徒手でもより上手くできるようになるということである。つまり3段階になる。?徒手で技を見つけ ?剣で試す ?徒手で仕上げる
因みに、正面打ち一教も片手取り呼吸法も、基本技が徒手である程度できれば剣でもできるので、他の技(四方投げ、入身投げ等)でもできるはずである。これも合気剣である。

それでは合気剣はどんな剣になるかというと、合気徒手の関係で次のようになる:

剣のつかい方には二種類ある:
1つ、正眼の構えのように剣を体の前に持っての構えから
2つ、居合の構えから
徒手でも、手のつかい方はこの二つでできる。

更に、剣には二刀流がある。合気道の技は身体すべてをつかわなければならないから、手も基本的には両手をつかうことになる。例えば、正面打ち一教などはその典型である。勿論、片手取り呼吸法でも両手を使った方が上手くいく。
徒手で両手が上手くつかえれば、二刀流の剣が合気剣となるだろう。

更なる合気剣がある。恐らく剣道にはない剣である。それは布斗麻邇御霊と布斗麻邇御霊から割れ別れた水火の形に則った剣である。天地と結び、神生み、島生みの剣である。大先生の天を突き地に下ろし、円く捌き、天地と一体化する剣である。所謂、大先生の神楽舞である。
合気剣は剣道にはない剣ということになる。過っての名人達人の剣道家がこれを求めて合気道に集まったのはこれを求めていたのではないかと考える。